女性に人気のミル打ち結婚指輪とは
結婚指輪の装飾の加工は様々な加工がありますが、表面に模様を入れる手彫りの彫刻の中に「ミル打ち」という手法があります。正確には「ミルグレイン」という彫刻になりますが、丸い小さなつぶつぶを連続して打ち付ける技術です。
目次
ミル打ち(ミルグレイン)の持つ意味
ラテン語で千の粒という意味で、小さなつぶつぶを指輪のエッジなどの部分に全周に渡ってつぶつぶが永遠に繋がるので縁起の面でも良い意味があります。永遠に終わりなく繋がった模様から、「永遠の愛」「長壽」「子孫繁栄」などブライダルにぴったりの意味があり結婚指輪に最適な彫刻です。
ミル打ち(ミルグレイン)の加工方法
ミル打ちの加工方法はいくつかあり、貴金属に仕上がった表面にミル打ちタガネによって打ち付ける方法と、原型の段階からワックスに小さなつぶつぶを入れた原型を作り仕上げる方法があります。
打ち付けて作る方法
地金表面に手作業で打ち付けていく方法が一般的ですが、同じ大きさのつぶつぶを連続して打ち付けるのはとても技術のいる作業で職人さんのスキルが問われる手法です。金属の表面は硬いので打ち付けて施せるミルの大きさはおよそ直径0.5mm程度の小さな粒になります。また平面部分にタガネを打ち付けても硬い金属表面に粒を作るのは難しく、エッジなど山型になった角の部分に施します。平面部分に入れる方法としては山型になるような彫刻をライン状に入れてそのラインに沿ってミル打ちを施す方法もあります。
原型にミルを入れて鋳造する方法
結婚指輪の原型はワックスという素材で作り、鋳造のよって金属に仕上げます。このワックス原型の段階で丸いつぶつぶを原型に入れて作ります。打ち付けとは逆に小さなつぶつぶを作るのが難しく、少し大きな丸い粒を施すようになります。小さなつぶつぶは可愛らしい印象になりますが、大きな粒の場合は可愛らしさが少し抜けて男性でも身に着けやすいデザインになってきます。入れ方によってはアンティークのような雰囲気にすることも出来ます。
ミル打ち(ミルグレイン)の魅力
小さなつぶつぶが施されたラインは小さなダイヤモンドが連なったようにキラキラと輝きます。シンプルなデザインでもミル打ちを施すだけで華やかになり可愛らしい印象になってきます。文字や絵などを入れた手彫り彫刻と違って打ち付けた深さが深いので長年身に着けていてもすり減りにくく長持ちします。
ミル打ち(ミルグレイン)の注意
可愛らしく縁起の良いミル打ちですが、デメリットもあるようです。注意点などを解説します。
汚れがたまりやすい
表面に凸凹があるため隙間に汚れがたまりやすいので定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスの方法としては中性洗剤などをつけて毛先柔らかめの歯ブラシを使って隙間を叩くように磨きます。叩くことで細かい隙間までブラシが届き汚れを取り除いてくれます。
石鹸などが固まって付着してしまった場合は水よりもお湯を使って洗浄したほうが汚れが落ちやすいです。熱に弱い宝石などが入っている場合は注意が必要ですが、お湯に洗剤を入れてしばらく浸けておき汚れをふやかして取り除きましょう。
サイズ直しが出来ない場合がある
結婚指輪のサイズ直しは指輪を一度切り離し、小さくする場合は余分を取り除くき、大きくする場合は地金を足して溶接して磨きなおします。ミル打ちが入っている場合はつぶつぶが途中で途切れるようになったりきれいに繋がらなかったりします。一見わからないように出来る場合もありますが、ほとんどの場合サイズ直しが出来たとしても少し模様のつながりがきれいにならないと思っていたほうが良いでしょう。