結婚指輪(マリッジリング)はなぜプラチナが多いのか
皆さんは結婚指輪(マリッジリング)の金属と言えば何が思いつくでしょうか?一般に最初に思いつくのはプラチナだと思います。実際に販売されている結婚指輪のほとんどがプラチナ製品になっています。では、なぜプラチナを使った結婚指輪(マリッジリング)が多いのでしょうか?その理由と意味を調べてみましたので結婚指輪選びの参考にしてください。
目次
プラチナ金属の特徴
プラチナは銀や金に比べて人類にとっては比較的新しい金属です。純プラチナは装身具としては柔らかすぎるので地金にパラジウムなどと混ぜてプラチナ合金として装身具に使用します。柔らかいとチェーンの場合は切れたり、指輪の場合は歪む、留めた宝石の爪が外れやすく取れてしまうということになります。
そのためにプラチナ合金にするのですが日本の品位としてはプラチナ1000が純プラチナ(100%プラチナ)とし、「950」「900」「850」という品位があります。含有する金属はプラチナ固有の純白色を保ちながら硬度を増すための金属として主にパラジウムを加えます。パラジウムも金属の特徴としてはほぼプラチナと同様なので装身具として使用するにも安心して含有出来る金属です。入れ歯の材料としても使用されている人体に悪い影響を及ぼさない金属です。
プラチナの溶解温度は約1800℃なので、万一火災などにあった場合でも溶けずにそのままの形で残ります。また、酸化や腐食せず錆びることが無いので変色もしません。特定の薬品である塩酸や王水には溶けるのですが、塩酸、王水は人工的に作り出さないと自然界にはほとんどありませんので身近でこの薬品に触れることはないので心配はいりません。
酸化や腐食がないので人体に触れて金属が溶け出すことはなく、金属アレルギーもほぼ起こすことのないアレルギーフリーの金属です。
また、耐摩耗性にも優れているので硬いものに当たって擦れても削れにくい特徴があります。何か硬いものに当たった場合は通常は傷が入り、その傷は削れて入る事が多いです。プラチナの場合の傷は削れるというよりも凹んで傷になるというとわかりやすいでしょうか?このような理由から擦れて指輪の厚みが薄くなるということも他の金属に比べると少ないです。
まとめるとプラチナは以下のように結婚指輪に適した特徴があります。
- 熱に強い
- 酸化、腐食がないので変色しない
- アレルギーフリー
- 耐摩耗性に優れている
結婚指輪にプラチナを選んだ人の割合
昨今ではイエローゴールドやピンクゴールドの結婚指輪も登場し流行によってゴールド系の結婚指輪を選ぶ人も増えてきました。ですが、やはりプラチナを選ぶ人の割合は多く全体の約80%のカップルがプラチナ結婚指輪を選んでいるようです。
縁起を担いだ意味もあるプラチナ
プラチナ金属の特徴から結婚指輪に適してることがわかりましたが、縁起が良いという面からプラチナを選ぶという理由もあるようです。
永遠に変わらない愛の象徴として
酸化も腐食もせず永遠に変色しないという観点から、永遠に変わらない愛の象徴として用いられます。
結婚生活を真っ新の状態から始まる事の象徴として
チャペルやウェディングドレスは純白の色がついていない物が多いですが、この純白はこれから始まる二人の結婚生活を真っ白な状態から二人色に染めていくため。という意味合いもあります。そのためブライダルリング(結婚指輪)も純白色のプラチナを使用することが多いという理由にもなっています。
特別な存在として価値ある物を身に着ける
指輪であれば白色系の金属の中で、安価な銀製品やステンレス製の指輪でも結婚指輪として身に着けても良いように思いますが、銀は変色するし、ステンレスは変色しないが極端に値段が安いので機械部品などにも使用されるような価値の低い金属です。
一生大事にしようと思う結婚指輪なので安価でだれでも簡単に手に入るものなら大事にしようという意識も低くなります。やはり、なかなか手に入らない高価なもののほうが大事にしようという意識も働きます。そういうことから結婚という二人にとって大事な節目に沿うような指輪はプラチナのような金属を選ぶほうが良いでしょう。
白色なので飽きが来ず時と場所を選ばない
白色系の金属はオーソドックスで飽きが来にくいとも言えます。色目のあるゴールド系の結婚指輪では葬儀などの場所では派手に見えてしまうので外したほうが良いことになります。プラチナでもダイヤモンドを埋め込んだものは派手になるので葬儀には向かないですが、上面だけにダイヤが入ったデザインであればひっくり返してダイヤの入った面を手のひら側に向けて白色のプラチナ部分を見えるようにすることで対処できます。
結婚指輪をプラチナに選んだ人の意見
実際にプラチナ製の結婚指輪を選んだ人の意見を聞いてみました。
日常ずっと身に着けておく指輪なので変色や錆びることを気にすることなくつけていられるプラチナを選びました。
やはり耐久性に優れた点からもプラチナを選ぶ人が多いようです。
ダイヤモンドを沢山つけてエレガントな結婚指輪にしたかったのでプラチナにしました。ゴールドだとファッションリングのようなイメージになってしまうので止めました。
ゴールド系の指輪はファッションリングとして沢山店頭に並んでいたりするので沢山ダイヤモンドを留めて豪華にしてもファッションリングのような雰囲気になるのはいなめません。やはりブライダルのイメージにぴったりの純白色のプラチナが結婚指輪のイメージにぴったりなようです。
彼がイエローゴールドの指輪が似合わず派手でいかつい指輪のように見えてしまうのでプラチナにしました。ピンクゴールドも印象が可愛らしすぎて彼には似合わなかったので私も彼に合わせてプラチナの結婚指輪で揃えました。
男性の場合はゴールド系の指輪が似合わない人が多いと思います。可愛らしすぎたり派手な印象を与えるゴールドは避けてプラチナの落ち着いた白色が男性には似合うようです。
プラチナ結婚指輪のデメリット
結婚指輪にプラチナが適していることはわかりましたが、プラチナ素材のデメリットや注意することはないのでしょうか?他の金属に比べると優位な点が多いプラチナですが、実は以下のように注意しなければいけないデメリットがあります。
変形に気を付ける
純プラチナは柔らかすぎるのでプラチナ900にして硬度を上げていますがそれでも鉄やステンレスに比べると柔らかい金属です。粘りのある金属なので摩耗性に優れていて削れて生きにくいのですがその反面、バネ性が無いので歪んだ時に元に戻ろうとする力が余りありません。そのため大きな力が加わって変形すれば元に戻らず変形したままになってしまいます。どのような時に変形するのかまとめています。
重いものを持ち上げる
指輪を着けたまま重いものを持ち上げると、指と重いものに挟まって楕円形に変形してしまいます。
重い荷物を長時間持つ
沢山書類などの入った重い鞄を長時間持ち歩いたら変形したという報告もあります。重いものを持ち上げる動作と同様に重い荷物を持つ動作も変形につながるので注意が必要です。
自転車のブレーキを思いっきり握る
急ブレーキをかけるために思いっきりハンドルを握る動作は重いものを持つなどと同じで指輪に大きな圧力が加わり変形することがあります。また同様に鉄棒などにぶら下がるなども同じように変形することがあるので注意が必要です。
後になって歪みに気づくことが多い
日常では知らない間に上記のような動作をすることがあります。歪んだことに気づかずに後になって歪んだことに気が付いて上記のような動作をしたことを忘れていて「知らない間に歪んでしまった」と思ってしまう人がいるようです。超常現象でもでもなければ自然に金属が歪んでしまうことはありません。歪んだことに気づかなかっただけのことです。歪んでしまった場合上記のような動作をしたかどうかを思い出してみましょう。
上記以外でも太鼓を叩いた。胴上げをした。ということで結婚指輪が歪んでしまったという報告があります。気の付かないうちに歪むことがあるので注意しましょう!
また変形はするが粘りのある金属なので折れたりかけたりはしないというのが逆にメリットでもあります。
トータルで見て結婚指輪に適しているのはプラチナ
これまでいろいろな面からプラチナの特徴などをとおして結婚指輪に適しているのはプラチナだということがわかりました。プラチナは加工が容易に出来、サイズ直しなどのメンテナンスも行いやすいことから長年にわたって身に着けておくものとして他の金属よりも優位であるには間違いないです。
ゴールド系の結婚指輪を検討している人もいると思いますが、この記事を読んだうえでさらに検討を重ねてそれでもゴールドが良ければその人の好みなのでゴールドの結婚指輪も良いと思います。
ゴールドのとても似合う人もいるので自分の好みに合わせて結婚指輪を選びましょう!